平成13年度年報(2001年)普及に写した新技術 |
| 新技術名 開花期に景観形成が優れる果樹類の選定 |
| 成果の概要 各樹種の開花時の景観形成を評価するためにアンケート調査を行った。開花時は花が大きくて目立つアーモンド、ネクタリンなどの評価が高く、プラムなど花が小さい樹種の評価が低かった。このアンケートでの評価と各樹種の単位樹容積当たりの花弁総面積との関係をみたところ、花弁総面積が大きい樹種ほど評価が高くなる傾向がみられ、樹体における花弁総面積が大きい樹種ほど、景観形成が優れていることが分かった。 普及上の留意点 開花時に葉が展葉する樹種はやや評価が低くなる傾向がみられる。樹種、樹勢に応じた整枝、剪定を行い、樹形の維持と花芽の着生に努める必要がある。 |
| 新技術名 積雪地帯におけるレタスセル成型苗秋定植及び越冬セル苗早春定植栽培 |
| 成果の概要 晩秋に定植したレタスのセル成型苗およびトレイごと露地に保存した苗は、冬期間積雪下で欠株なく越冬する。越冬保存苗を融雪後定植してもその後の生育は順調で、春は種栽培より収穫時期が早くなる。収穫したレタスの球重、品質は慣行栽培と同等であり異常球の発生は認められなく、積雪地帯におけるレタスの春の早期収穫が可能である。 普及上の留意点 標高が高く降雪時期が早い地域でのセル成型苗秋定植栽培は、は種、定植期をやや早くし苗を完全に活着させておく。セル成型苗を越冬保存する場所は、湿害を受けないよう排水対策を確実に行う。 |
| 新技術名 耐湿性台木を用いた水田転換園における「アサクラサンショウ」の枯死低減法 |
| 成果の概要 水田転換園に定植された「アサクラサンショウ」が、植栽後5〜6年以内に枯死する主な原因は、降雨後の高地下水位による湿害であることが明らかとなった。そこで浸漬処理による台木の耐湿性を比較した結果、従来台木として主に用いられてきたヤマザンショウよりもフユザンショウの方が強いことが明らかとなった。このフユザンショウを台木として利用することにより、高地下水位による枯死の低減が図れた。 普及上の留意点 中山間地の比較的地下水位の高い水田転換園で活用できるが、暗きょや明きょ等の排水対策や、高うね栽培等を取り入れるのが望ましい。 |
| 新技術名 水稲「コシヒカリ」の有機肥料による穂肥施肥法 |
| 成果の概要 オール有機質肥料の穂肥量は、収量の面からみるとアール当たり窒素成分0.28sの穂肥を2回施用する現行の有機栽培こよみ通りの方法が優れている。しかし、現行の方法は倒伏が多く、玄米タンパク含有率も高いので、安定性や食味を考慮すると、収穫が5%程度低下するが、アール当たり窒素成分0.28sの穂肥を1回施用する方法がよいと考えられる。 普及上の留意点 穂肥の減量により収量低下が著しいほ場では、堆肥の施用などを行い地力向上を図る。 |
| 新技術名 自動哺乳装置を用いた黒毛和種超早期母子分離飼養法 |
| 成果の概要 黒毛和種繁殖雌牛の多頭飼育に伴って、母牛の繁殖率が低下したり子牛の下痢により損耗が増加してきている。そこで、母子を超早期(分娩後6日目まで)に分離飼育すると母牛の発情や排卵までの日数が短縮され、分娩後11か月で次の出産が可能となった。しかし、超早期に母牛から子牛を分離すると、母子同居牛に比べ子牛の代用乳哺乳に多大な労力が必要となる。そこで自動哺乳装置を用いて、生後10日目から約60日間一日当たり6リットルの代用乳給与と人工乳、乾草を不断給餌すると子牛の下痢は減少し母子同居牛と同等の発育をした。これらの技術を用いることにより、省力的で生産効率の高い繁殖経営が可能となった。 普及上の留意点 母子を分離するまでに初乳を十分に飲ますか粉末初乳あるいは凍結初乳を給与し、免疫力をつけておく必要がある。 |
| 新技術名 丹波黒エダマメの種類別品質特性 |
| 成果の概要 2001年産の丹波黒エダマメおよびその他(黄・黒・茶大豆)エダマメの外観品質並びに成分特性について比較調査した。 丹波黒エダマメは他のエダマメと比べて1株あたりの地上部重、莢重、莢数ともに多く、子実の厚みは1.5倍〜1.7倍、子実重は2.1倍〜2.8倍大きかった。丹波黒エダマメは他のエダマメと比べて莢色はやや黄化しており、種皮色はやや黒紫色に着色していた。糖組成は他のエダマメと異なっており、ショ糖は他のエダマメと同程度であったが、麦芽糖が多く含まれていた。 普及上の留意点 丹波黒エダマメの収穫時期は10月中旬で夏の需要期からはずれるため、粒の大きさや軟らかさ、食味の良さ等、丹波黒エダマメ特有の品質についてさらにPRする必要がある。 |
| 新技術名 丹波黒エダマメの保存条件別品質特性 |
| 成果の概要 宅配用の枝付き丹波黒エダマメの包装資材及び保存条件が品質に及ぼす影響について調査した。 20℃常温保存の場合、無包装のものは処理4日後に莢色が著しく黄化し、水分含量が減少した。エージレス+フィルム包装すると20℃常温下においても処理後4日間は莢の色調及び水分含量が保持され、糖含量は保持あるいは増加した。5℃冷蔵保存の場合、処理後4日間は莢色、水分含量、糖含量ともに保持された。 普及上の留意点 フィルムで密封したまま常温で保存しておくとフィルム内がムレた状態となり、一部腐敗や異臭が発生する可能性があるので注意する必要がある。 |
| 新技術名 丹波黒エダマメの選別外品の品質特性 成果の概要 丹波黒冷凍エダマメ原料には、特に品質のそろったものが求められ、選別外品は全収穫量の半分を占めることもある。正常莢及び選別外品の品質について調査した。 丹波黒エダマメの収穫量中の選別外品の占める割合は62.4%で、中でも褐変莢(24.7%)と虫食い莢(16.7%)の占める割合が大きかった。莢の外観評価(官能)は褐変莢と虫食い莢が有意に低かった。 莢をむいた子実の状態では、選別外品の大きさ及び色調は正常莢のものとほとんど変わらなかった。選別外品の糖含量は正常莢のものと比べてやや低いものの、褐変莢、虫食い莢は93〜94%(正常莢100%とした場合)の範囲であった。 普及上の留意点 褐変莢、片方のみ未熟な莢及び被害程度の低い機械割れ莢の子実は、やや糖含量が低いものの正常莢の子実と同等の外観品質が得られることからむきまめ等の食品素材として利用できる。虫食い莢については被害程度の低いものは利用可能であるが、選別作業が難しい。 |
| 新技術名 丹波黒大豆の品質特性 成果の概要 丹波黒大豆及び県産の黄・青・黒・赤大豆の品質特性について調査した。 丹波黒大豆(兵系黒3号)の百粒重は75.8gで、中生光黒(黒大豆)の2.1倍、青大豆の1.7倍、サチユタカ(黄大豆)の2.6倍あった。丹波黒大豆は、他の黒大豆や青大豆、黄大豆と比べて浸漬・煮熟後の重量増加比が大きく、煮熟大豆の物性は軟らかかった。丹波黒大豆の一般成分は、青大豆や黄大豆と比べて炭水化物が高く、脂質が低かった。糖含量(ショ糖及びオリゴ糖)及びビタミンE含量は黄大豆と比べて高かった。 普及上の留意点 加工工程別(煮豆、豆乳等)の成分の消長についてさらに調査する。 |
| 新技術名 生芋こんにゃくの製造に適した凝固剤添加量 成果の概要 生芋こんにゃくの凝固剤に炭酸ナトリウムを用いる場合、凝固剤添加量が多くなると色調は赤みが強くなり、硬さが硬くなる。凝固剤の添加量は色調や硬さ、弾力性の点で0.9%(対芋重)が適当である。 普及上の留意点 生芋を3倍量の水を加えながら磨砕し、膨潤したものに凝固剤を適量の水に溶かして加える。 |
| 新技術名 にがりを用いた豆腐の製造に適したにがり添加量と凝固温度 成果の概要 にがり添加量が多いと豆腐収率が低く、硬くて弾力性のない豆腐となり、また、凝固温度が高いと豆腐収率が低く、硬い豆腐となる。にがり添加量と凝固温度の組み合わせは0.5%添加(対豆乳重)・65℃が適当である。 普及上の留意点 豆乳濃度やにがり添加時の撹拌程度も豆腐の品質に影響を及ぼすため、これら条件の決定も必要となる。 |
| 新技術名 近赤外分析法を用いた県産煎茶(非粉砕物)全窒素含有率測定検量線の開発 成果の概要 近赤外分光分析装置を用いて、県産緑茶(非粉砕物)の全窒素含有率を測定できる検量線を開発した。検量線の作成には県産及び他県産煎茶100点を用いた。検量線作成に用いた煎茶の全窒素含有率は4.2〜6.8%の範囲であった。検量線は2140,2212,2240,2264,2368nmの5波長を用いて重回帰分析によって得られたもので、相関係数 R=0.98,SEC(検量線標準誤差)=0.10%であった。40点の未知サンプルを用いた検量線の評価を行ったところ、SEP(予測誤差)=0.11%であり、検量線は実用化的に十分な精度を有する。 普及上の留意点 誤差の少ない分析をするためには毎年の検量線の補正が必要となる。 |
| 新技術名 紫黒米「むらさきの舞」外観品質の簡易評価法 |
| 成果の概要 「むらさきの舞」玄米粒の着色度が大きくなるほど、玄米粒のL,a,b値は低くなる傾向にあった。「むらさきの舞」を1%塩酸メタノール抽出による色価はいずれの方法においても、着色度が大きくなるほど、高くなるなる傾向にあった。各種の測定法と着色度との相関はすべてr=0.96以上であった。測定の簡易性から、玄米粒の色調(明度:L値)、もしくは玄米粒を1%塩酸メタノール20分抽出時の色価で推定するのが適当である。 普及上の留意点 2001年度の着色具合での結果であり、誤差を少なくするためには、数年のデータを調査する必要がある。 |