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兵庫県立農林水産技術総合センター
お知らせ -記者発表-

「イネ縞葉枯病(しまはがれびょう)」の発生に要注意!!

月/日
(曜日)
事務所等名 電 話 発表者(担当者) 配布先
5月29日
(火)
県立農林水産技術総合センター 0790-47-
@1222
A2408
所長 渡邊 大直
@研究主幹(防除指導担当)
相野 公孝
A研究主幹(広報・知的財産管理担当)小林 尚司
中・西・北播磨県
民局記者クラブ

県庁記者クラブ


 
イネ縞葉枯病は1980年代に県内で流行し、減収率が20%を超えるなど大きな問題となった水稲の病害です。その後の対策により被害は終息しましたが、近年になり再び流行の兆しがみられており、田植え時の箱施用剤の実施、畦畔除草の徹底など対策が必要です。

1.イネ縞葉枯病とは
 ・水稲に発生する病害で、初期の発病では葉が細く巻き垂れ下がった状態で枯れ(ゆうれい症状)、後期の発病では正常に穂が
  出なくなり(出すくみ症状)、収量減となる

 ・「ヒメトビウンカ」という体長3〜4mmの小さな虫によって株から株へと伝染される
  ウイルス性の病害で、発病すると薬剤で治療することができない

 ・2001年以降発生をみなくなったが、近年になり体内に病原ウイルスを持つヒメトビウンカの割合(保毒虫率)が増え、昨年度は
  県西部を中心に被害がみられた(図1)


2.再流行の要因
 防除の重点が斑点米カメムシへ移行したこと等により水田内でのヒメトビウンカ個体数が増加したことが再流行の要因の1つと
 考えられます。


3.防除対策
   (1)化学的防除(薬剤防除)・・・@田植え時の箱施用剤処理の徹底、A保毒虫率の高い播磨地域中・西部では最高分げつ期
     (7月中旬)頃の本田防除の実施、によりヒメトビウンカ個体数を減らす。

  (2)耕種的防除・・・@ひこばえ(稲刈後に株元か
     ら再び生える茎葉と穂)のすき込み、A畦
     畔除草の徹底、によりヒメトビウンカのウイ
     ルス保毒虫数を減らす。


4.防除のポイント
  病原ウイルスを運ぶ虫が移動するため、個々の農家の取組だけでは蔓延を食い止めることは困難です。普及センターや関係機関と連携し、地域が一体となって本病の被害拡大防止に努めることが肝要です。




(参考)

イネ縞葉枯病とヒメトビウンカ

 「イネ縞葉枯病」(写真1)は、「ヒメトビウンカ」(写真2)という小さな虫によって株から株へと伝染されるウイルス性病害で、発病すると薬剤でも治療ができないやっかいな病害です。@ヒメトビウンカのウイルス保毒虫率(ウイルスを体内に保有しているヒメトビウンカの割合)に増加の兆しがみられること、A水田内のヒメトビウンカ個体数が増加傾向にあること、などから今後も被害が拡大すると予測され、本病の発生動向に注意する必要があります。

1.発生状況の推移
  図2はヒメトビウンカのウイルス保毒虫率の年次推移を、図1は県内で被害の多い県西部におけるイネ縞葉枯病発病株率の年次推移を示しています。大流行した1980年代のウイルス保毒虫率は10%程度(図2)、発病株率は50%前後(図1)と高い状態でした。その後、防除対策の徹底により保毒虫率、発病株率とも減少し、2001年以降は本病の発生がみられなくなりました。しかし、2008年から保毒虫率が再び増加傾向を示し、昨年度は県西部を中心に本病の被害がありました。



2.再流行の要因
 本病が再び増え始めた要因について詳細は明らかではありませんが、防除の重点が、斑点米カメムシへ移行したこと等により水田内でのヒメトビウンカ個体数が増加したことが考えられます。「ウイルス保毒虫率」と「ヒメトビウンカ個体数」のどちらが増えても本病の発生程度に大きな影響を与えます。
 図3は、県西部におけるヒメトビウンカ発生量を、被害の大きかった「1980年代後半」、沈静化に向かった「1990年代中頃」、再び増加の兆しのある「2000年代後半」、で比較したものです。水田におけるヒメトビウンカ個体数が近年とくに多いことが分かります。
 この状態が継続すると加速度的に被害が拡大する危険性があり、増え始めの傾向がみられている今、地域をあげて対策に取り組むことが大切です。



3.防除対策

1)耕種的防除
 ・ひこばえ(稲刈後に株元から再び生える茎葉と穂)は収穫後のヒメトビウンカの生息場所となり、保毒虫率を高め
  る要因となります(写真3参照)。本病の発生を確認した地域では、「ひこばえ」を早めにすき込むことで保毒虫を
  減少させます。
 
 ・ 畦畔雑草は、ヒメトビウンカの越冬場所として利用されます。秋〜春にかけて水田周囲の除草を徹底することで
   、ヒメトビウンカの個体数を減少させます。

2)化学的防除(薬剤防除)
 ・ 本病が発生している地域では、田植え時の薬剤処理を徹底し、ヒメトビウンカの初期密度を減らすことで、被害
   軽減に繋げます。

 ・ ムギ栽培地域においては、ヒメトビウンカがムギで一世代を過ごし増殖するため、ムギ栽培のない地域と比較
   してヒメトビウンカの個体数が多い傾向にあります。ムギ畑において適期(第1世代幼虫期)に薬剤防除を実施
  することで、ムギ畑から水田へのヒメトビウンカの飛び込み個体数を減らし、発生を抑えることができます。


4.今後の方針
 現在、全農兵庫、JA、農薬メーカー、農業改良普及センター及び農林水産技術総合センターが連携し、被害拡大防止を検討しています。個々の農家の取組だけでは、本病の蔓延を食い止めることは困難です。地域が一つになって本病の被害拡大防止に努めていくよう、関係機関と連携し対策を行います。



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